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3Dプリンター「ANYCUBIC MEGA-S」トラブル解決までの道のり

3Dプリンター「ANYCUBIC MEGA-S」トラブル解決までの道のり

Amazonで3D プリンターを検索すると、いつも上位に出てくるのが「ANYCUBIC」の3Dプリンターです。

 弊社でも創業からずっと「ANYCUBIC MEGA-S」を使用しています。小さなオリジナルの部品なんかをテストで作るのには、とても重宝しています。ただ、最近、途中で樹脂が出てこなくなるトラブルが発生するので、その解決までの道のりを覚書としてブログにしました

ANYCUBIC MEGA-S

 既にAmazonなどでは、今回トラブルを起こした樹脂(フィラメント)を送り出す部分「エクストルーダー」が新しいのになったモデルになっていますが、基本的には今でも発売されているモデルです。
 自分で組み立てる必要がありますが、組立自体はさほど難しくはありません。(ハンダ止めとかありません)調整も手動になりますが、3Dプリンターにとって、何が大切なのかを理解できますし、トラブルが起きた時に自分で調整できるメリットもあります。
 ネットで検索して頂くとわかりますが、自分で組み立てる構造と、調整もほぼ手動で行うので、チューニングや改良を行うことで、更に高精度な、高品質な、3Dプリンティングにチャレンジされている方もいらっしゃいます。(弊社の場合、全くの改造なしで使用しています)

ANYCUBIC MEGA-S 公式ページ

樹脂が送られない

 今回のトラブルは、3Dプリンターの材料となる樹脂(フィラメント)が途中で送られなくなる、あるいは足りなくなる「押出し不足」という現象です。

「押出し不足」ってなに?

 3Dプリンターが、樹脂(フィラメント)を「100」送れと命令を出したにもかかわらず、何かしらの原因で、その分量樹脂が送られないことをいいます。このような「押出し不足」になると、材料となる樹脂(フィラメント)が足りないせいで、強度が足りなくて、簡単に折れたりさけたり、見た目がギザギザになったりします。
 最初、どうしてこんなことになったのか?それ自体わからなかったので、最初は正直かなり焦りました・・・

「押出し不足」の原因は?

「押出し不足」になる原因はいくつかあり、その原因を特定するのは、なかなか難しいです。

・樹脂が出るノズルの先にカスなどがたまって、詰まっている
・ノズルとヘッドの距離が近すぎる
・樹脂(フィラメント)が通るパイプが詰まっている
・樹脂(フィラメント)が途中で詰まっている
・ノズルの温度が適切ではない
・ファンの冷却設定が適切ではない
・リトラクション(糸引き防止)の設定が適切ではない
・スライサーの設定が適切ではない
・樹脂(フィラメント)が湿気を吸って印刷品質が低下している
・押し出し機に問題がある

ひとつのトラブルの原因になりそうなもので、こんなにあるのか・・・と思われるかも知れません。
手動で色々と調整できる装置は、それだけトラブルの原因を手動で起こしてしまうことにもつながります。

装置の使い方、使用頻度、設置場所の環境など、同じ3Dプリンターで同じトラブルでも、その原因は個々に違ったものになると思います。
可能性のありそうな所を、ひとつずつ確認してみてください。

今回の原因は「エクストルーダー」

 今回の原因は樹脂(フィラメント)を送り出している「エクストルーダー」が原因だと判断しました。理由は実際に樹脂を送るように指示を出しても、ほとんど送られないことが樹脂を触るとわかったためです。(あまりお勧めの方法ではありませんが、微小な動きも人の指ってわかりますので。但し周囲は熱い部品もあるので、やはりオススメしません)

 調べた所、樹脂を送り出すギアにカスが溜まると送り出すトルクが無くなるとのことなので、まずは分解して確認してみました。やはりギアにはカスが溜まっていたのと、金属ギアが若干いたんでいるようだったので、交換部品を購入して交換することにしました。

樹脂はでるのに、カスカスのまま

 「エクストルーダー」のギアを交換することで、溜まっていたカスも、ギヤの痛みも無くなって、これで問題解決だ!と思い、テスト用の「ふくろう」をプリントしてみると、最後まで無事印刷できました。「お、問題解決!」
 次に大きな部品を印刷してみたのですが・・・あれ、何故かカスカスのまま、簡単に分解できてしまいます。小さな部品は問題なく印刷できましたが、どうも大きな部品はまだ問題解決していません。いや、これではテスト印刷の意味がないじゃん。

もう一つの原因は「ノズル」

 樹脂の上下の接着強度が弱いのは、樹脂が予定通り出ていないことが原因であることが多いです。テストで樹脂を出す操作をすると出てくるので、パイプ周りが詰まっている訳ではなさそうです。そこで次の原因になりそうな樹脂が出てくるノズルの交換を行いました。
 ここは使えば使うほど、樹脂のカスなどがたまっていってしまうので、どうしても少しずつ樹脂の通りが悪くなってきてしまいます。ですが、今までは「エクストルーダー」の送る勢いが徐々に悪くなっていたせいか、あまり気になるレベルではなかったのかもしれません。ここを交換して、大きな部品を試してみたら、無事最後まで印刷することができました。

一部の部品交換は、他の部品に負荷をかける場合がある

 どんな物でも同じかも知れませんが、部品交換などをして、一部だけ新品と同じ動作をすると、周囲の部品がそれについていけなく、また別の不具合を起こしたり、最悪耐えきれず部品が破損することもあります。今回は、樹脂(フィラメント)を送る部分を新品にした結果、樹脂の出口での不具合がはっきりした形となりました。
 使い方や使用頻度、設置場所によって、不具合の発生する頻度も、場所も異なってくると思いますが、同じような状況に出会った方にとって、少しでも参考になれば幸いです。