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【機材レビュー】気軽に天体撮影「Nikon COOLPIX P950」

【機材レビュー】気軽に天体撮影「Nikon COOLPIX P950」

天体写真から飛行機の撮影まで「見たことのない景色」をお手軽に!

以前は、月や惑星を撮影するには、天体望遠鏡が必要だというのがあたりまえでした。しかし最近のコンパクトデジタルカメラの進化はすさまじく、コンパクトデジタルカメラだけで、月や惑星の撮影がお手軽にできるようになりました。

その中でも、差異だつスペックと性能を持つ「Nikon COOLPIX P950」をご紹介します。

「Nikon COOLPIX P950」とは

「Nikon COOLPIX P950」は、株式会社ニコンから2020年2月に発売された製品で、「COOLPIX P900」の機能改善版の機種となります。

レンズのスペックは全く同じですが、いくつかの機能が改善されました。また新しい追加機能として「HDMIクリーンアウトに対応」があります。
これにより、最近流行のオンライン会議などにも使えます(使い道が難しいかも知れませんが…)

Nikon COOLPIX P950

基本仕様

Nikon COOPIX P950の基本仕様は下記の通りです。目を引くのは換算2,000㎜の望遠側焦点距離です。

・レンズ:光学83倍ズーム
・焦点距離:4.3~357㎜(35㎜判換算:24~2,000㎜相当の画角)
※35㎜判換算:フルサイズミラーレス、フルサイズ一眼レフカメラ用のレンズの焦点距離に置き換えた場合という意味です
・開放F値:f/2.8~6.5
・レンズ構成:12群16枚(EDレンズ5枚、スーパーEDレンズ1枚)
・電子ズーム:最大4倍(35㎜判換算:8,000㎜相当の画角まで電子ズーム可能)
・手振れ補正:光学式(静止画)・光学式+電子式(動画)
・撮像素子:1/2.3型原色CMOS
・有効画素数:1,605万画素
・記録画素数:16M
・記録媒体:SD/SDHC/SDXCメモリーカード
・フィル形式:JPEG、RAW(静止画)・MP4(動画)
・シャッター:1/4000~30秒(ISO3200以下)~60秒(ISO1600以下)
・ISO感度:100~6400
・動画記録画素数:2160/30p(4K UHD)、2160/25p(4K UHD)、1080/30p、1080/25p、1080/60p、1080/50p、720/30p、720/25p、720/60p、720/50p、HS 480/4 倍、HS 720/2 倍、HS 1080/0.5 倍

「Nikon COOLPIX P900」との差異

以前発売されていた「Nikon COOLPIX P900」との差異は下記の通りになります

★機能改善点
 ・シャッター時間の改善(1/4000~15秒 → 1/4000~30秒)
 ・画像処理エンジンの高性能化(EXPEED C2 → EXPEED)
 ・連射枚数の増加(約7コマ/秒時、約7枚撮影可能 → 約7コマ/秒時、約10枚撮影可能)
 ・動画時の手振れ補正能力の改善(5.0段分 → 5.5段分)
 ・手振れ補正モードの追加(ACTIVEモード → NORMAL(画質優先)/ACTIVE(構図優先))
 ・電子ビューファインダーの改善(0.2型92万ドット → 0.39型236万ドット)
★機能追加点
 ・RAW対応、RAW+JPEG保存対応
 ・4k動画対応
 ・HDMIクリーンアウトに対応
 ・外部マイク入力対応(3.5㎜ステレオミニジャック)
 ・ホットシューの追加
 ・フォーカスモードセレクターの追加
 ・サイドダイヤルの追加
 ・高ISO感度時の長時間露出に対応
 ・リモートコードに対応

外観からは、本体横にサイドダイヤルがついたのと、MF/AFを選択するフォーカスモードセレクターがついたのが、大きな差異になります。外観の印象は、かなり一眼レフカメラに近づいた感じがします。
機能の面では、RAW対応、高ISO感度時の長時間露出対応、リモートコード(ケーブルレリーズ)に対応など、星の写真を撮るのに適した機能追加がされています。
正直な所「天体写真屋さんの為の機能拡充では?」と思えるくらい、P900に比べると、星を撮る際に使いやすく、より様々な天体写真が撮影できるようになりました。

Nikon COOLPIX P900 詳細仕様

P950外観写真(上面)

P950外観写真(側面)

P950外観写真(背面)

P950背面液晶表示

天体写真を撮影する人でないと、改善点にすら気づかないと思いますが、M(マニュアルモード)時に、ISOを3200に設定しても、シャッター速度を30秒に設定できるのは、とても大きな改善点。

リモートコード(ケーブルレリーズ)に対応

天体写真を撮影する際にあると便利なのが、この「リモートコード」。シャッターを切る際にカメラ本体を触らないでシャッターを切ることができるので、ブレない写真を撮影することが出来ます。星の写真は、星自体が点だったり線として撮影されるので、他の被写体よりブレにとても敏感です。一眼レフカメラやミラーレスカメラの中にも「リモートコード」に対応していない機種がある中で、対応ているのはとてもすごいと思います。

お手軽に天体写真にチャレンジするには最適な1台

天体望遠鏡がなくても、まずは自分で見つけることのできる「月」。この月を大きく簡単に撮影できる「Nikon COOLPIX P950」は、天体写真の敷居を下げるだけではなく、お手軽に天体写真を撮影できるようになったことで、様々な場所で、様々な方々が宇宙や星空に触れる機会を増やしたカメラだと言えます。

今後はこのカメラで撮影した天体写真などを当社ブログにてご紹介したいと思います。

下記リンクにこのカメラだけで撮影した「木星」の動画へのリンクを掲載いたしました。カメラだけで木星の動画が撮影できる時代になったとは、カメラ技術の進歩は凄まじいと思います。


【Nikon COOLPIX P950で撮影した木星の動画】