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【宇宙開発】野口宇宙飛行士が搭乗する、歴史上初の商業用有人宇宙船の打ち上げ成功!

【宇宙開発】野口宇宙飛行士が搭乗する、歴史上初の商業用有人宇宙船の打ち上げ成功!

(Credits: NASA/Joel Kowsky)

2020年11月16日(日本時間)、アメリカ合衆国フロリダ州にあるケネディ宇宙センターから、4名の宇宙飛行士を乗せたロケットの打ち上げが成功しました。

NASAが認めた民間商業用宇宙船

 2020年11月16日(日本時間)、アメリカ合衆国フロリダ州に位置するケネディ宇宙センターから、4名の宇宙飛行士を乗せたロケットが打ち上げられました。

 この打ち上げは、Space X社が提供する商用有人宇宙飛行システムの2回目の打ち上げで、宇宙開発における民間企業の実力を示すことになりました。

新しい宇宙への翼「Crew Dragon」

(Credits: NASA/Joel Kowsky)

 NASAは、2011年を最後にスペースシャトル プログラムを終了しており、現在有人宇宙飛行については、ロシア国営企業が使用するソユーズを使用しています。ソユーズを用いた場合、宇宙飛行士1人当たり約9000万ドルの費用がかかると言われています。

 NASAは宇宙ミッションにおけるコスト削減に注力しています。その一環としてアメリカの民間産業である「Space X」に注目、「SpaceX」が開発・提供する商用有人宇宙飛行システムを利用した場合、宇宙飛行士1人当たり約5500万ドルまで打ち上げコストの削減が可能であると言われています。

 今回使用された打ち上げシステムは、NASAが承認した歴史上最初の商用有人宇宙飛行システムになりました。今回の打ち上げ成功は、宇宙開発における民間産業の可能性を広げ、宇宙産業を活性化させることに、大きな影響を与えることは間違いないと思います。

《NASA’s Space X Crew-1 mission》

(Credits: NASA/Joel Kowsky)

(PHOTO DATE: 06/15/2020. LOCATION: Bldg. 8 Rm. 183. SUBJECT: SpaceX Crew-1 official crew portrait with NASA astronauts Shannon Walker, Victor Glover, Mike Hopkins, and JAXA astronaut Soichi Noguchi PHOTOGRAPHER: Norah Moran)

 Shannon Walker:ミッションスペシャリスト
 Victor Glover:パイロット・セカンドコマンダー
 Mike Hopkins:コマンダー
 Soichi Noguchi:ミッションスペシャリスト

 今回宇宙へ向かった4名の宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)にて約6か月の科学ミッションを行い、2021年春に帰還する予定です。

 4名の飛行士は、ISSのメンテナンスや食品生理学に関する研究、宇宙飛行が脳機能へどのような影響を及ぼすかについての実験などを行う予定とのことです。このうち、脳機能に関する実験は、学生が提案した実験だそうです。

日常的な「宇宙飛行」

 CNNは今回の打ち上げ成功を、宇宙飛行が「比較的日常的な旅行」となる道を開いたと伝えています。また、ニューヨークポストは宇宙飛行に新たな時代が到来したと伝えています。

 BBCでは、打ち上げ成功とその背景を伝えるとともに、野口宇宙飛行士を紹介しています。その中で、野口飛行士は経験豊富であり3種類の宇宙船(スペースシャトル、ソユーズ、クルードラゴン)で地球を離れる史上3番目の人物であると紹介しています。

 今年は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から宇宙飛行士募集の案内もありました。火星へと旅立った探査機たちや、年末には「はやぶさ2」が帰ってきます。

 来年以降「新しい宇宙開発」が私たちを待っているのかも知れません。

(文/荒井 碧)